頑張ったことがキャリアになる

公務員からIT企業に移ってから、自分のキャリアについてずっと悩んでいます。そんな中で「キャリアは作ろうとして作るものではなく、頑張った結果あとからできているもの」という考え方を知って、かなり驚きました。今の自分に引きつけて整理してみます。

目次
  1. キャリアは、作ろうとすると作れない
  2. 焦って動くと、通過点にすらならない
  3. 手応えが出るまでは、ずっと平ら
  4. 好きか嫌いかは、そこまで関係ない
  5. それで、自分はどうするか

公務員からIT企業に移ってから、自分のキャリアのことをずっと考えています。

教員をやめると決めたときは、それなりに覚悟を決めたつもりでした。ところが入ってみると、周りには当たり前のように技術の話ができる人がいて、自分はまだ何者でもない。「このままでいいのか」という問いが、ずっと消えません。

会社の上司は親身な人で、「どんなエンジニアになりたいか」と聞いてくれます。ありがたい質問なのですが、うまく答えられません。自分にできることも、好きなことも、得意なことも、はっきりしないからです。

転職サイトは見ていません。それでも、エンジニアの情報を集めようとすると、スキルアップだステップアップだと、転職をすすめる話が次から次へと目に入ってきます。そこにAIの進化の速さが重なって、焦っていたのだと思います。

そんな中で、頑張ったことがキャリアになる、という考え方を知りました。正直、かなり驚きました。

キャリアは、作ろうとすると作れない

驚いたのはこの部分です。

キャリアを作ろうとして動いている人ほど、うまくいっていない。 逆に、気づいたらキャリアができている人は、作ろうとして動いていない。

統計を見たわけではありませんが、言われてみると思い当たります。自分の周りでも、「キャリアアップのために」と言って動く人ほど、半年や1年で次へ行く。そして、その一つひとつが短すぎて、通過点としても残らないように見えます。

キャリアの2つの進み方上は、焦って会社を移り続ける進み方。3ヶ月、半年、1年と短い在籍が並ぶだけで、どれも通過点にならず積み上がらない。下は、1つの場所で目の前の仕事をやりきる進み方。任される仕事が少しずつ大きくなり、頑張った分が階段のように積み上がっていく。作ろうとして動く会社A3ヶ月会社B半年会社C1年どれも通過点にならない目の前をやりきる今の仕事任される大きな仕事頑張った分が積み上がる
キャリアの2つの進み方(点線は積み上がらないほう、実線は積み上がるほう)

一方で、ちゃんとキャリアになっている人は、自分がやってきたことに理由を付けられる。嫌になって抜けたのではなく、やりきったと言えるところまでやっている。だから次の場所でも任せてもらえて、任される仕事が少しずつ大きくなっていく。

順番が逆なんだと思いました。大きな仕事をするためにキャリアを作るのではなく、目の前の仕事をやりきった結果、大きな仕事が回ってくる。

焦って動くと、通過点にすらならない

これは耳が痛い話でした。

自分も、焦りのほうが先に来ている自覚があります。この会社にいて伸びるんだろうか、今のうちに動いたほうがいいんじゃないか。そう考えはじめると、目の前の仕事が急につまらなく見えてきます。

ただ、冷静に考えると、何もできていない状態で動いたところで、行った先で任されるものは同じです。むしろ「何者でもない期間」を自分で何度もリセットしていることになる。

ポイント

焦りが強いときほど、辞めるかどうかではなく、辞めずにできることは何かを先に考えたほうがよさそうです。仕事は続けたまま、気になっている技術はプライベートで触る。副業で小さく試す。それで足りるなら、わざわざ職を変える必要はありません。

手応えが出るまでは、ずっと平ら

もうひとつ刺さったのが、結果が出なくても続けられること自体が才能だ、という話です。

何かを始めても、最初のうちは手応えがありません。伸びているのかどうかも分からない。この平らな期間が、思っているよりずっと長い。

続けた時間と手応えの関係続けはじめてしばらくは、手応えがほとんど増えない平らな期間が続く。多くの人はこの平らな期間でやめたくなる。そこを越えると、手応えは急に伸びていく。手応え続けた時間ここでやめたくなる越えると伸びる
続けた時間と手応えの関係(点線は手応えが出ない期間、実線は出てからの期間)

今の自分でいうと、このブログがまさにそれです。9月16日に始めて、ほぼ毎日書いています。この記事でちょうど20本目です。それなりに頑張っているつもりです。

それでも、Google AdSenseの審査は落ちました。10月6日、記事が17本になった時点です。通知に書かれていた理由は「有用性の低いコンテンツ」でした。3週間書いた結果がこれです。

正直こたえましたが、図の平らなところにいるだけだと考えれば、やることは変わりません。書き続けて、前に書いたものも手を入れて、また出す。それだけです。

すぐに結果が出るものに慣れてしまうと、この平らな期間に耐えられなくなります。SNSもショート動画も、反応がその場で返ってくる作りになっている。そこに慣れた状態で、半年先にしか効いてこないことを続けるのは、たしかに才能と呼んでいいのかもしれません。

好きか嫌いかは、そこまで関係ない

いちばん意外だったのが、ここでした。

好きだからやる、ではなく、無心でやる。

「好きを仕事に」とよく言われます。自分も、教員を続けるか迷っていたころは、好きかどうかをずいぶん考えました。向いているか、やりがいを感じるか、と。

でも、考えてみれば、好きか嫌いかを確かめている時間は、手を動かしている時間ではありません。やると決めたなら、好きかどうかを点検せずに、ただやる。そのほうが結果的に積み上がる。

向き不向きはあると思います。ただ、好き嫌いは、思っているほど判断材料にならない。これは自分にとって新しい見方でした。

それで、自分はどうするか

整理すると、今の自分がやることは3つです。

  1. 目の前の仕事をやり切る
  2. 辞めずにコツコツ学習を続ける。このブログも、Claude CodeやAstroを触っているのも、その一部
  3. やりたいかやらないかではなく、やる

3つ目がいちばん効きそうです。上司に「どんなエンジニアになりたいか」と聞かれて答えられないのは、やる前に答えを出そうとしているからかもしれません。

ただし、この考え方を突き詰めた先にある、頑張れなかった時期がある人はもう手遅れという見方には賛成できません。元教員として、それは言いたくないです。踏ん張れない時期がある子を何人も見てきましたし、その時期があったからといって、その先がないとは思いません。

それでも、頑張ったことがキャリアになるという一点は、今の自分にはありがたい考え方でした。何者でもない自分がやることは、結局これしかないからです。

書いていて思いましたが、当たり前のことも多く含まれています。それでも刺さったのは、AIの進化の速さに引きずられて、自分が焦っていたからなのだと思います。同じように焦っている人の参考になれば幸いです。

補足

これは答えが出た話ではなく、今の整理です。1年後に読み返して、同じことを思っているかは分かりません。そのときはまた書きます。